小説についてゆるゆると

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イリヤの空、UFOの夏 感想

ネタバレ注意


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そもそもなんでブログを始めようと思ったかというと。

原因はひとえにこの作品のせいなんですよね。

名前はずっと前から知っていました。

名著だ、名著だ、と。

読んでみて思いました。

名著だ、と。

この作品に衝撃を受けすぎて、

この衝撃を忘れたくなく、ブログとして残しそうと思ったのが事の発端です。

それほどの衝撃、感動でした。

そして、私のような

被害者を生み出さないように。


この「イリヤの空、UFOの夏」は、ヒロインのイリヤと出会ってから、主人公の浅羽君が夏の終焉へと向かっていくその道程を描いた作品です。
※合ってはいませんが間違ってもいません。

夏の終わりという響きだけで想像出来るかもしれませんが、

文章からは常に退廃的で寂寥とした雰囲気が滲み出しています。

例えそれがコミカルな描写だったとしても、です。(これ感じてたの私だけじゃないですよね)

そんな寂しい感じで全4巻分続いていくわけですが。

いやあ、これがなんというか。

本格的にシリアスになるのは最終4巻ですが、

3巻の途中まではほとんどコミカルなラブコメなので、

そこのギャップがものすごいです。

4巻の途中とか重すぎて胃に穴が空くかと思いました。

いや、まあこれくらいは別に普通なんですけどね。よくあります。

設定なども、重くはありますがそんなに変わったところもなく普通です。

では何がそこまで印象強かったかというと。

やっぱり結末なのでは、と。


正直、おすすめはしたいですが。

涙もろい人とか、心の弱い人とかは読むと後悔します。

私のように。

いや、本当に数日は立ち直れませんでした。

辛すぎます。


この小説の登場人物は全員好きです。

不器用で臆病な浅羽も。

世慣れしておらず感情表現の下手なイリヤも。

最強無敵な部長も。

負けん気の強い晶穂も。

英語ペラペラの浅羽父も、得体の知れない榎本も、モブのようでそうじゃない花村も西久保も、夕子も親戚のおばあちゃんも駅で出会ったお姉さんも


そして、

この作品が大好きです。

また、

大っ嫌いでもあります。


自分のこれまでの世界観が一変しました。

綺麗にぐるっと回転しました。

これまでの自分の価値観なんてグシャグシャになって潰れさって。

新しく構築されたその世界は絶望的に希望のないものになりました。

多分自分が甘ちゃんな性格だったからだと思います。

この作品には、人のなにかを変えてしまう程の魔性があります。

少なくとも、私は変えられてしまいました。

本って、人生を変えることが多いです。

でも、「イリヤの空」は、人生ではなく自分自身を変えました。

凄いと思います。

考え方、とかではありません。

心、でなはいんですよね。

心を仕舞ってある場所、なんです。

そこを変えられました。

本当に恐ろしいです。

この作品を読んでも私のようになる人は少数です。

しかし、それでもいるのだとは思います。

だから、私は、私の後にこの作品に触れる方に忠告します。


覚悟しろよ、と